2018年9月7日(金)

まだ残暑の余韻が続いていますね。
私の納涼アイテムは江戸川乱歩作品。
太陽がジリジリ照りつける昼間に読んでいると白昼夢のような違和感と背筋に垂れる汗に体温が1度くらいは下がります。
江戸川乱歩は小学生の頃から読んでいたこともあり、私の美意識の一番深いところに影響を与えてくれた作家だと思っています。
三島由紀夫のように醜いものを美しい言葉で表現する耽美的な文章ではなく、残酷さや恐怖と結びついた美がいかに魅惑的なものだと感じさせてくれる甘美な世界観が堪りません。
『人でなしの恋』は愛と死と美が結びついていて大好きなお話。
「人でなし」と言うと軽薄で残忍な男性を思い浮かべてしまいますが、このお話に出てくる青年の一途さと倒錯した愛情に愛おしさを感じます。
今宵も乱歩の世界観のような時間を過ごせますように。
bySARA女王様